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往々にして、マニュアルを読むというときは実際に問題が発生し、読む必要性にかられたときだ。
また、読むとしても、できれば必要最低限の情報を得るだけにしたい。
あまりマニュアルと格闘したくない、というのが普通だろう。
そのため、次の二点が重要になる。
1.探したい情報をすぐに見つけさせることができるか
2.見やすく理解しやすいか

検索性

一点目、つまり検索性について。
読み手が、こんなものを作りたい・こんな状況で困っているということに答えられてこそのマニュアルだ。
つまり、その問題さえ解決できれば、他の機能にどんなものがあるか知りたいわけでも、専門用語に詳しくなりたいわけでもないのだ。
マニュアル側が読み手に応用力を求めてはいけない。

コピー機を例にあげるなら、「拡大・縮小の仕方」「回転の仕方」等では真に読み手の期待に答えられていない。
機能を示すよりも、具体的にどんなコピーができるのか、を書くべきだ。
(「コピーにのりしろを付ける」というような具合に)

ユーザビリティ

二点目について。
先に記事にした、視認性記憶のプロセスのように読み手は人であることを念頭に置く必要がある。
人には限界がある上に、感情によって理解のしやすさが左右されてしまうからだ。

マニュアルは読むものである。
つまり、視覚に頼った部分が多くを占めるということだ。
・見やすいレイアウトであること
・見やすい図や写真であること
が求められる。

眼球運動は常に一定の規則で動いている。
重要度や包含関係でリスト構造のように塊を作り出す。
タイトルを詳しく、又強調することで差別化をはかる。
のように、上手く注意を誘導することが重要だ。

次に、一つの問題について、あまり濃く書きすぎることも控える必要がある。
読み手は文章や図の正確さには興味がない。
そして、細かさは分かりやすさとトレードオフの関係にあるのだ。

最後に、情報をまとまりのあるものとして見えるようにすることが大切といえる。
記憶のプロセスにあるように、人は短期記憶に取り込んだ情報をまとめることで記憶する。
視覚的な観点で言えば、余白を設けることで情報(文や図)を一つのトピックに強調するということだ。
意味的な観点で言えば、既存知識の強い影響を受けるのだから、要点を先に読み手に与えることも効果的だ。
あれもこれもと情報を詰め込んでは、マジカルナンバーから溢れてしまう。

まとめ

主に次の三点がマニュアルを見やすくすることに大きく関わる。
1.文字や図等を細かくしないこと
2.情報を網羅的に書きすぎない(詰め込みすぎない)こと
3.第一印象をよくすること

書き手は常に読み手を意識しなければいけない。
【書きたいこと】と【知りたいこと】は必ずしも一致しないからだ。
そして、読み手はマニュアルに対して良い印象はあまり持っていないことを知るべきだ。
印象がよくないマニュアルは読んでもらうことすら叶わないのだから。

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